旅館とホテルは混同して使われることが多い言葉ですが、考えてみるとどのような違いがあるのか気になるものです。 旅館は和室中心で客室が構成されている宿泊施設のことで、ホテルのようにベッドだけでなく、布団が用意されていることが殆どです。 法的には、旅館業法で和室が5室以上、1部屋あたりが7m2以上で旅館と定義されています。 洋室が10室以上で1部屋あたり9m2以上の宿泊施設は、旅館業法ではホテルに分類されます。 旅館業法にあてはまらない宿泊施設については、民宿だったりペンションと呼ばれることになります。
旅館は2名以上での宿泊が想定されていることが多く、夫婦やカップルの利用者が多いですから、1名での利用は珍しいです。 ただ、部屋を独り占めできたり、広々とした客室でリラックスして過ごせるメリットが得られるのは確かです。 デメリットは費用が安価なホテルよりも嵩んでしまうことですが、食事の提供なしの旅館を選べばコストが抑えられます。 基本的には食事がつくのが旅館で、ホテルの方は朝食のみというケースが珍しくないです。 つまり、初日の夕食も含めて食事を楽しみたい場合は、ホテルではなく旅館を選ぶことになります。 布団だと眠れない、ベッドの方が好きという人は、迷うことなくホテル一択となりそうです。
しかし、近年はベッドを用意する旅館も少なくないので、和室で過ごす宿泊を諦めずに済みます。 ホテルは1名以上の利用を想定しているので、1名で宿泊しても不思議がられないのがメリットといえばメリットです。 ビジネスホテルなどは、宿泊がメインでサービスは最小限ですから、その分安く宿泊することができます。 旅館よりもプライバシーがしっかりしている、食事を摂るタイミングが自分で決められるなど、メリットは多いです。 ただし、充実したサービスが受けられるホテルやプランを選ぶと、途端に宿泊料金が高くなるのがホテルのデメリットです。 余談ですが、民泊は家庭的だったり地元の人達と交流できる機会があるなど、旅館やホテルとも毛色が違います。 ペンションも含めて割安に利用できることが多いですが、人付き合いが煩わしい人には不向きです。
旅館とホテルの違いを比べてみると、旅館業法の定義も含めてかなり違いがあることが分かりますし、違いが分かると比較検討する際に役立つはずです。 言葉の使い分けも自信を持って行えるようになりますから、旅館とホテルの定義について、しっかりと覚えることをおすすめします。