世界最古のホテルとなるのが西山温泉慶雲館、世界で最も古い歴史を持つ宿として認められたのは2011年のことでした。国内だけではなくギネスという世界記録に残るのは、同じ国内に住む日本人にとっても誇らしいことです。創立をしたのは慶雲2年のこと、まだ1000年にも2000年にもならない705年と、大変歴史ある世界最古の宿泊施設であり素敵な旅館でもあります。一度は訪れてみたい宿ですが体験をしてみると、連続して訪れたくなるリピーターは後を絶ちません。
山梨県南巨摩郡早川町に宿を構える慶雲館は、587年創業した池坊華道会に次いで古い国内企業です。その土地で温泉を発見したのは狩猟をしていた藤原真人、それは慶雲2年のことでした。当時の山道は大変険しいものでしたが、その道を切り開いて湯壺の造営、そして開湯という流れです。自然に湧き出てくるお湯の量としては、毎分400リットルですから世界規模で見てもトップともいえます。存分に楽しめる掛け流し風呂の提供を顧客にすることができるのは、こうしたたっぷりの湯量にも恵まれているためです。
古くからある宿ではありますが訪れるお客さんが途絶えることが無いのは、大自然に囲まれた中でのゆったりした最高のひと時を過ごせるから、絶景のロケーションが広がっています。忙しい現代人にとって必ずや憩いの場となる宿であり、深い緑に全体を覆われた宿泊宿に最高の施設とお風呂、美味しい料理ともはや文句のつけようなどありません。実はこれほどの素晴らしい宿ではありますが、その建物のある場所はそれほど人口は多くはなく、早川町は日本で最も人口の少ない街です。
喉かな町の真ん中を優雅に流れるのは早川、そんな川の名前が町の名前になりました。深山幽谷の言葉を失うほどの美しい、春夏秋冬の移り変わりごとに見せてくれる風景にはため息が出るほど、そんな中に建築をされた温泉宿は自然との調和が完璧にできています。たくさんのお客さんに足を運んでもらいたい願いから、全館をリニューアルしたのは1997年のことです。
落ち着いた佇まいは1300年にも及ぶ歴史にふさわしく、守り続けてきた伝統を損ねることもありません。部屋も温泉も最高ですが、加えて出される食事も心からの感動を覚えるレベルで美味しいです。料理人がすべての料理を心を込めて、丁寧に作り上げていますし、旬を意識して素材の旨味を最大限に生かしてくれます。色彩も豊かな山梨ならではの山の幸に舌鼓を打ち、お風呂に浸かり素晴らしいロケーションを眺める、最高に贅沢で幸福な時間を過ごせるのが西山温泉慶雲館です。